一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

絶対に泣くまいと
必死に唇を噛み締めた。


ここで私が引いてしまったら、
このさき一生お母様に認めてもらうことが
出来なくなってしまうような気がする...


フゥッと息を吐くと
紅葉の目を見据えながら、ゆっくりと口を開いた。


「あの...

私が相応しくないのはよくわかっています...
でも、私にも翼さんしか考えられません...
口では説明できないくらい
私にとってはかけがえのない
大切な人なんです...

私に幸せの意味を教えてくれた人なんです...」


先程まで、オドオドとしていたかよ子の
熱意の込もった真剣な眼差しに
紅葉は動揺を隠すように目を反らす。


それでも私は話を続ける。


「まだまだ未熟で至らないことも
重々承知です。
でも、私は翼さんがいないと
笑顔でいられなくなっちゃう...」


震えだす声を必死に飲み込む。


そして、深々と頭を下げた。


「お願いします...
私には翼さんが必要なんです...
一緒にいることを許してください...
お願いします」


頭を下げ続けるかよ子に、
「困ったわね...
おとなしい顔して強情ね...」
と、お母様は目を反らしたまま、
はぁっと溜め息をついた。


「す、すみません...」