一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

俺がドアをを閉めて部屋の中へ目を向けると
「あの...神崎さん、
ほんとにお仕事は大丈夫なんですか?」
かよ子さんが心配そうにこちらを見つめている。


かよ子さん、そんなこと
俺にとっては愚問なんだよ...


俺はフッと微笑みながら
かよ子さんの前まで足を勧める。


「急ぎの仕事はないから、大丈夫だよ...」


俺にとってはかよ子さんが
一番最優先なんだから...


俺がかよ子さんの仕事部屋に
行くことはあっても、
かよ子さんが社長室に会いに
来てくれるなんてことはなかった...


ただ会いに来てくれただけなのに
嬉しすぎて気持ちが爆発してしまいそうになる...


「走ってきたの?」


俺はかよ子さんの前で止まると
優しい眼差しで見つめながら
ゆっくりとかよ子さんの乱れた髪の毛を
まるで撫でるようにとかしていく。


「あっ...はい。
神崎さんに早く聞いて欲しくて...」


そのクリクリした瞳でそんなこと言われたら、話を聞く前に、その唇を塞ぎたくなってしまう...


「どんな話かな?」


俺の問いにかよ子さんは話したくてウズウズした様子で、身を乗り出した。


「はいっ!!
あのっ、私、お母様に認めてもらうために
自分に出来ることは何なのか
ずっと考えていたんです!
それで、ある人からの助言で勇気づけられて
思い付いたんです!
私、お母様に絵を描いて
プレゼントしようと思います!
言葉では、なかなかうまく伝えられないけど
絵なら伝えられるような気がするんです!」


キラキラと澄んだ瞳を輝かせながら
懸命に伝えようとするかよ子さんの姿が
あまりにもいじらしくて、
俺は思わず顔を綻ばせた。


「それはとても良い案だ。
かよ子さんの絵ならきっと母さんにも
気持ちが伝わるよ!
絵はまた会社の部屋を使うといいからね」


俺がかよ子さんの頭をよしよしと撫でると
「はい、頑張ります」
そう言って、
かよ子さんは俺に屈託のない笑顔を向けた。