Side翼
かよ子が部屋を飛び出した頃、
翼は紅葉を電話で説得していた。
「母さん、かよ子さんは
初めて会ったから緊張していただけで
もっと話したら素敵な人だと分かるから!」
何度話しても、一向に聞く耳を持たない母さんに俺は受話器を片手にイライラした様子で
指で机をトットットットっと叩いている。
『いくら電話しても、もう決定事項よ!
私も忙しいの!
電話する暇があるなら仕事しなさい!
ガチャッ』
そう言うと母さんは一方的に電話を切った。
ツーツーツーツー...
無情にも受話器からは無機質な音が鳴り続く。
「クソッ!!」
ガチャンッ
俺は思いきり受話器を投げ置いた。
そして、はあっと息をつきながら
椅子に体を預けると、額に手を当て
途方にくれた。
なにが決定事項だよ...
俺は承諾なんかしてないんだよ!!
あの母をどうやって
説得したらいいのか分からない...
今まで母さんに反抗してまで
やりたいことなんてなかったからな...
母に言われるままに、一流大学に入って
会社の跡も継いで何の不満もなかった...
だが、今となっては
そのずっと母の言う通りにしてきたせいで
余計に頑なに反対しているような気がする...
どうしたら母の固く閉ざして
開こうとしない心を開くことができる...?
もう、かよ子さんを悲しませたくない...
俺が彼女を守らないと...
俺は額に手を当てたまま、
ギュッと目をつぶった。
その時、
コンコンッ...
社長室のドアが遠慮気味にノックされた。
やけに小さいノック音だな...
総司ではないな...誰だ?
俺は「はい、どうぞ」と面倒くさそうに言うと椅子に預けていた体を起こした。
かよ子が部屋を飛び出した頃、
翼は紅葉を電話で説得していた。
「母さん、かよ子さんは
初めて会ったから緊張していただけで
もっと話したら素敵な人だと分かるから!」
何度話しても、一向に聞く耳を持たない母さんに俺は受話器を片手にイライラした様子で
指で机をトットットットっと叩いている。
『いくら電話しても、もう決定事項よ!
私も忙しいの!
電話する暇があるなら仕事しなさい!
ガチャッ』
そう言うと母さんは一方的に電話を切った。
ツーツーツーツー...
無情にも受話器からは無機質な音が鳴り続く。
「クソッ!!」
ガチャンッ
俺は思いきり受話器を投げ置いた。
そして、はあっと息をつきながら
椅子に体を預けると、額に手を当て
途方にくれた。
なにが決定事項だよ...
俺は承諾なんかしてないんだよ!!
あの母をどうやって
説得したらいいのか分からない...
今まで母さんに反抗してまで
やりたいことなんてなかったからな...
母に言われるままに、一流大学に入って
会社の跡も継いで何の不満もなかった...
だが、今となっては
そのずっと母の言う通りにしてきたせいで
余計に頑なに反対しているような気がする...
どうしたら母の固く閉ざして
開こうとしない心を開くことができる...?
もう、かよ子さんを悲しませたくない...
俺が彼女を守らないと...
俺は額に手を当てたまま、
ギュッと目をつぶった。
その時、
コンコンッ...
社長室のドアが遠慮気味にノックされた。
やけに小さいノック音だな...
総司ではないな...誰だ?
俺は「はい、どうぞ」と面倒くさそうに言うと椅子に預けていた体を起こした。



