一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

カタカタカタッ


無機質な音に私はハッと気づいたときには
コンロにかけていた鍋がグツグツと
蓋を押し上げ暴れていた。


「いけない!」


私は吹き零れる直前で
慌ててコンロの火を止めた。


ホッと肩を撫で下ろすと
鍋にお味噌をといていく。


今朝からずっと心ここにあらずの状態で、
今もキッチンで一人、
ボーッと考え事をしながら
夕食の準備に取りかかっていた。


どうしたら、お母様に認めてもらうことが
できるのだろうか...


昼間、神崎さんから仕事の合間に
家に電話が掛かってきて
今日もお母様の携帯に何度かメールや
電話を入れてくれたらしい...


私に気を遣って結果は言葉を濁していたけれど、きっと取り合ってくれなかったに違いない...


神崎さんが忙しい仕事の合間をぬって
頑張ってくれている...


いつまでも私だけがウジウジと
落ち込んでなんていられない...


口での説得は無理だとしても
私に出来ることはないのだろうか...


鍋の汁の色が若い茶色に変わってきて
味噌の美味しい香りがキッチンに漂ってきた頃、

ピンポーン

インターホンの呼び出し音が
私に来客を知らせた。


誰だろう...?


神崎さんならカードキーを持っているはずだ...


私はすぐさまモニターを確認すると
そこには神崎さんのお義父さんの姿がうつし出されていた。


お義父さん!?


私は急いでオートロックを解除すると
お義父さんを迎えに部屋を出た。