一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない


「よく分かりました。
次に私が帰国するホテルの
セレモニーパーティまでに
猶予を上げるわ。
それまでにきっちりとお付き合いを清算して
おきなさい!」


お母様は話を打ちきると
バッと席を立ち上がった。


ガターンッ


思わず神崎さんも勢いよく立ち上がった拍子に椅子が倒れる。


「母さん、勝手に決めるなよ!!
俺はかよ子さんと別れるつもりは
絶対にない!」


お母様は呆れたような表情で神崎さんを見つめると今度は隣の私に視線を向けた。


「かよ子さん、
あなたには良い条件の人を紹介するから
翼とは別れてちょうだい」


「なっ!?」


神崎さんは耳を疑うようなお母様の痛烈な一言に言葉を失う。


そして、お母様は「それじゃあ、帰るわ」と言ってきびすを返した。


「あ、あの!!」

私はガタッと立ち上がりながら
声を振り絞った。


そして、言葉を選びながら
ゆっくりとだが自分の気持ちを懸命に伝える。


「わ、私は...
お母様がおっしゃる通り...
昔から人見知りが激しくて...
お世辞にも社交性があるとは言えません...
それでも、翼さん以外の人は考えられません...
すぐには変われないかもしれませんが
少しでも翼さんの力になれるよう、頑張ります...
なので...あの...どうか...
よろしくお願いします!」


そう言って、私はお母様に深々と頭を下げた。


「母さん!
俺からもお願いします!」


神崎さんも隣で祈るように頭を下げる。


・・・・・・


少しの間、私達を見下ろしていたお母様だったがハァっと息を吐くと
「決定事項よ。
次帰るときまでに関係を解消なさい」
そう言って振り返ることなく部屋を出ていった。