一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない


私が通された客間に入ると
広々とした和室は
まだい草の香りが残る張替えたばかりのような若草色の畳が敷き詰められ、
床の間には赤富士の掛け軸や生け花が
飾られていた。


重厚感のある座卓テーブルの上には
3人分のコップとお皿とお箸が
すでに並べられていた。


きっとお父さんは最初から神崎さんも
呼ぶつもりだったのだろう...


私はそれを見てクスリと微笑んだ。


そして、私はふと、
客間の前の縁側の向こうの景色に
目を向けた。

吸い寄せられるように
縁側へと足を進める。

私が縁側をでると、そこには
綺麗に整えられた日本庭園が広がっていた。


池には赤や黄色の錦鯉が優雅に
尾をヒラヒラさせて泳ぎ、
綺麗に剪定された丸いフォルムのツツジや
黒松がその日本の風格をあらわしていた。


私は縁側に立ったまま
その風景に目を奪われた。


「お庭は気に入ってくれたかな?」

お義父さんが寿司桶を両手に持って現れ、
樽をテーブルに置くと、私の隣に肩を並べて庭を見つめた。


「はい。とても素敵なお庭ですね。
とても癒されます...」

かよ子はキラキラと目を輝かせて
庭を見つめながら言った。


「庭の剪定は私がしているんだ。」


お義父さんの言葉に私は驚いて視線を庭から
お義父さんへと移した。