一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

「かよ子ちゃんは画家の仕事をしてるんだってね?
私と気が合いそうだな...」


お義父さんは嬉しそうに目を細める。


「はい...
あの...お父さんと会社でお会いしたことは
ないとおもうのですが
何のお仕事をされてるんですか?」

私はチラッと後ろの荷台へと
目を向けた。


「何の仕事かは我が家に着いてからの
お楽しみだよ!!」


「えっ!?
ご実家に向かわれてるんですか!?
神崎さ...えっと翼さんは
呼ばなくても宜しいんでしょうか?」


「あいつを呼ぶとグチグチとすぐ怒るだろ?」


お義父さんはハンドルを持ったまま、
肩をすくめて苦い顔をした。


「そ、そうなんですか...?」


「翼はかよ子ちゃんには優しいの?」


「そ、そうですね...
怒ることはないですし...
仕事で困ってることはないかとか
いつも何かと気にしてくれてます」


「そうなのかい?
ふ~ん...あの翼がねぇ...」


お義父さんは少し考えるそぶりをして
再び口を開いた。


「よし!やっぱり翼も呼ぶとしよう!!」


お義父さんはそう言って何かを企んでいるように
二ヤリと笑みを浮かべている。


私ははそんなお義父さんを見て
何か余計なことを言ったかも...
と、少し後悔しながらも
流れる窓の外の景色に目を向けた。


辺りはぼんやりと薄暗くなり、
ポツポツと街灯が灯り始めていた。


神崎さんのお義父さんが優しい方で良かった...


私は窓の外を眺めながら
安堵したように顔をほころばせた。


そして、軽トラックは
閑静な住宅街へと入っていった。