「ハハッ。
そんな堅苦しい呼び方はやめてお父さんて呼んで♪
それじゃあ、行こうか!
さあ、かよ子ちゃん車に乗って乗って♪」
「えっ...でも...」
私は乗っていいものか分からず戸惑っていると
お義父さんはそんなことは気にする様子もなく
「早く♪早く♪」と急かしてくる。
仕方なく私は助手席へと乗り込んだ。
座席の後ろには荷台を見渡せる小窓がついており、
そこから覗けば、荷台にはなにやらブルーシート
が一面覆われた大きなものが積んであった。
車が揺られるとガタゴトと何か
重い物が動く音が聞こえてくる。
神崎さんのお父さんは何を
している人なんだろう?
会社では多分見かけたことはないし...
そう言えば、私、神崎さんの家族のこと
何も知らない...
私がそんなことを考えていると
「総司くんから翼がお付き合いしている
女性は、清楚でかなりの美人だときいていたから
会社から出てくるかよ子ちゃんを見て
すぐにピンときたよ!
翼とは付き合い長いのかな?」
お義父さんはハンドルを手にご機嫌な様子で
聞いてきた。
「あ、あの...
お付き合いを始めたのはごく最近なんですが...
お仕事をするのに、マンションに
居候させていただいてからだと2ヶ月ほどに...」
「ほほう...
あいつが他人と同居とは信じられないな...
親ですら、マンションに一度も上がらせては
くれないのに...」
「す、すみません...
ご挨拶もなしに勝手に同居なんて...」
「いやいや、怒ってるわけではないんだ。
その逆にとても嬉しいんだよ。
余程、かよ子ちゃんに気を許してるんだね。」
「ど、どうなんでしょうか...」
私は照れ臭くなって
頬を赤く染めてうつむいた。



