一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない


「あの...実は一色さんに告白されてしまって...
それで先程、お断りしたところだったんです。一色さんの気持ちを考えるとあまり他の人に触れ回ることではないので言いたくないと言ったんです...
私の方こそ、誤解を受ける言い方をしてしまってごめんなさい」


私はしゃがんだまま、バッと頭を下げた。


「いや...そもそも俺の嫉妬深さが
原因だから...」


「それを言うなら私も凪沙さんに
嫉妬してましたし...」


「う~ん...
でも、僕とかよ子さんじゃあ、
嫉妬の次元が違う気がする...
なんだったら、かよ子さんを鳥籠に入れて
ずーっと一人じめしたいくらいだし。」


難しそうな顔で考え込んでる神崎さんに
私はクスっと笑顔が溢れる。

そして、
「鳥籠ですか..
もし鳥になれるなら、私はツバメになりたいな...」
と、冗談目かして言った。


神崎さんは「俺のは冗談なんかじゃないんだけどな...」と、呟きながらもフッと目を細めた。


「でも、どうしてツバメなの?」


「毎年、この時期になると家の軒先に
ツバメが巣を作るんです。
そして、そのツバメが子どもを生んで
雛鳥が大きくなると
また秋には飛び立って行きます。
いつもこのツバメ達は
このあと、どんな世界を見るのだろうって...
そんなことを考えたらワクワクする反面、
ちょっぴり羨ましかったんです...」


私は昔の一人でいた自分を思い出して
少し切なくなった。

「でも、今は神崎さんのおかげで
私も広い世界をみることができました。
私もツバメになれたんです。
感謝してもしきれないです...」


私は神崎さんに満面の笑みを向けた。


「僕もかよ子さんと出逢うまでは
毎日仕事に追われためまぐるしい日々を
ただ淡々とこなしていただけだったんだ。
でも、仕事は好きだったし、
それでもいいと思ってた...
でも、かよ子さんと出逢って
見ていた世界がガラッと変わったきがするよ。
きっとまだまだ僕の知らない世界も
あるんだろうな...
これからは一緒に色んな世界を見て行こうね」


私達は見つめ合いながら、
優しく笑いあった。