一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない


    
「かよ子さん...僕はかよ子さんのことが好きだよ。」

一色さんの口から零れた言葉に私は衝撃のあまり言葉を失う。

「最初は一目惚れだったんだ...
だけど、かよ子さんと話しているうちに
もっと君のことが知りたいとどんどん貪欲になってしまう...
例え、かよ子さんが社長のことを思っていても..
どうしても君が欲しい」

私はビックリして固まったまま、
一色さんの真っ直ぐな眼差しから、目をそらせないでいた。


「今の恋が辛いなら、僕にしなよ...
僕なら君を悲しませることなんて絶対しない..
僕は君とこの先もずっと一緒にいたいんだ...」


ずっと...一緒に...?


一色さんの最後の言葉を聞いて私の目から
ホロリと涙が頬を伝い落ちた。


私がずっと一緒にいたいのは...


「一色さん...ごめんなさい...」

瞳からポロポロと涙が零れ落ちる。


私は神崎さんとずっと一緒いたい...


「ごめんなさい...
私は神崎さんじゃなきゃ駄目なんです...」


ずっとずっと一緒いたい...離れたくない...


例え婚約者がいても
もう気持ちをごまかすことができない...


私は立ち上がって、一色さんに向き合うと
バッと深く頭を下げた。

「ごめんなさい...
例え、叶わない恋だとしても、私は神崎さんが好きなんです」


ポツリポツリと地面を私の涙が濡らしていく。

一色さんは何も言葉を発することもなく
ただただ私を見つめたまま黙って聞いている。

「ごめんなさいっ」

私はもう一度、謝罪の言葉を口にすると
足早に一色さんの元を去って行った。

かよ子が去ってひとり残された一色は
ただ、茫然と色をなくした瞳で池を眺めていた。