「どこへ行くの?」
俺が問いかけたその瞬間、
「イヤッ!!」
かよ子さんは掴んでいる俺の手を
思いきり振り払った。
「かよ子さん...?」
俺は振り払われたショックで固まったまま、
かよ子さんを見つめる。
「あ、あの...ごめんなさい...ごめんなさい...」
かよ子さんは動揺した様子で何度も謝りながら
後退りする。
そして、走ってそのまま、玄関を出ていった。
ショックで固まっていた俺だったが、
ハッと我に返り、かよ子さんを追い掛けた。
しかし、急いでエレベーターに乗り込み、
走ってマンションを飛び出したが、
既にかよ子さんの姿はどこにもいなかった。
クソッ...かよ子さん、どこへ行った?
俺は一端、マンションの部屋に戻ると、
リビングのテーブルに一枚の手紙を見つけた。
『神崎さんへ
お疲れ様です。
今日は営業部の一色さんに頼まれて
妹さんの誕生日プレゼントを買いに行ってきます。
杉崎かよ子』
俺はサーッと血の気が引くのを感じて
再びマンションを飛び出した。



