一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

side翼  

かよ子さんが眠れない夜を過ごしている頃、
そんなことを露とも知らず、俺は知り合いの経営するバーにいた。

見合いに失敗して飲んだくれた凪沙に
総司と二人で捕まっていたのだった。


「ふざけんなよ!
もう5時じゃねえか!!」


カウンターに座る俺はイライラした様子で
グラスのお酒を一気に煽った。


凪沙は散々暴れて騒いだ挙げ句、
ソファーで酔いつぶれて、先程、眠りについた。


「どうしますー?
こんな明け方にしかもあんな泥酔したお嬢様を
家には送り届けれませんよ?」


俺の隣に座る総司も流石に疲れきった様子で
ソファに寝転がる凪沙に目を向けた。


「そもそも、見合いの席にあんなド派手な
ワンピースで着てきて、なに考えてんだよ?
しかも、初っぱなから上から目線で
あの女、ほんとに結婚する気あるのか?」


「最終的に怒って
相手男性にワインぶっかけたときは
正直笑ってしまいましたよ...」


「もうあの女に二度と紹介なんてしねぇ!」


俺たちは凪沙に無理矢理飲まされて車も運転できず、
この時間帯だとなかなかタクシーも捕まらない...


この八方塞がりの状況に、
はぁーっと大きくため息をついた。


その時、
「やっとタクシーが捕まったよ」
ひげ面のバーのマスターが携帯を片手に
ニッと微笑んだ。