一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

それから二人で朝食を済ませると
いつものように会社まで神崎さんの車で送ってもらった。

そして神崎さんとはエレベーターで別れ、
それぞれの持ち場へと着く。


あっ...そういえば、
明日は一色さんと買い物に
出掛けることを伝えるの忘れてた…


私はキャンバスに筆で色を重ねながら
ハッと思い出して、筆を止めた。


でもまあ...明日の朝食の時でも伝えればいいよね...


気を取り直して、再び筆を進め始める。


絵はすでに下書きを終えて、色塗りの段階へと差し掛かっている。


心なしか、いつもより筆の進みが良いような
気がする...


きっと、神崎さんとのお出掛けが待ち遠しくて心が弾んでいるおかげだ。


私って何て単純なのだろう...


私はそんな自分が恥ずかしくなり、
思わず苦笑いした。

そして、黙々と描くことに没頭していると
あっという間に就業時間は過ぎていった。


ふと、私が時計に目を向けると
針はすでに18時をまわっていた。




そろそろ帰らないと...



私が帰り仕度をしていると
トントントン
部屋のドアがノックされ、
私の返事を待たずして勢いよく扉が開いた。


私は思わずビクッと肩を震わせると
扉の方へ振り向いた。


「かよ子さん!お久しぶりね!」


「あ...凪沙さん...」


そこには赤いシックなワンピースの
凪沙さんの姿があった。


どことなく、今日は一段と気合いが入って
いるような気がする...

白い素肌に赤いワンピースが映えて
とても綺麗だった。