「ど、どうぞ...」
私は男性の顔を
直視して話すことが出来ず
俯いたままで中に入るよう即した
「ありがとうございます。
本当に困っていたので助かります。
それではお邪魔します」
私の頭上から安心したような男性の柔らかい声が降ってくる。
「こ、こちらです...」
義父以外の男性と話すのは何年ぶりだろうか...
どうしてよいか分からず、
私は逃げるように部屋の中へと足を進めた。
その私の後ろ姿を
じっと男性に見られていることもしらずに...
部屋に入ると一面の沢山の絵画に男性は
ビックリした様子で
辺りをキョロキョロ見渡していた
この絵や画材道具で溢れかえった部屋に見慣れたものでなければ驚いて当たり前だろう。
男性は目を輝かせながら絵を一つ一つ見て回っている。
「この絵は全部きみが描いたの?
すごいな!絵描きの仕事?」
感心したような声になんだか気恥ずかしくなって顔を伏せる。
「は、はい...そ、そんな...
仕事というほど大したものでは...」
「いや、大したものだよ!
あっ!ごめん。
部屋に上がらせてもらってるのに
自己紹介してなかったな。
僕はこういうものだから安心してほしい」
男性は思い出したように胸ポケットから名刺入れを取り出すと俯いたままのカ私の前に
1枚の名刺を差し出した。
私は男性の顔を見ることなく名刺を受け取る。
「かんざき...つばささん?」
「いや。よく読み間違えるけど
翼と書いてタスクと読むんだ」
「し、失礼しました...
株式会社かんざき...代表取締役...」
かんざき...かんざき...
どこかで聞いた名前のような...
私は名刺を見つめながら、首を傾けた。
私は男性の顔を
直視して話すことが出来ず
俯いたままで中に入るよう即した
「ありがとうございます。
本当に困っていたので助かります。
それではお邪魔します」
私の頭上から安心したような男性の柔らかい声が降ってくる。
「こ、こちらです...」
義父以外の男性と話すのは何年ぶりだろうか...
どうしてよいか分からず、
私は逃げるように部屋の中へと足を進めた。
その私の後ろ姿を
じっと男性に見られていることもしらずに...
部屋に入ると一面の沢山の絵画に男性は
ビックリした様子で
辺りをキョロキョロ見渡していた
この絵や画材道具で溢れかえった部屋に見慣れたものでなければ驚いて当たり前だろう。
男性は目を輝かせながら絵を一つ一つ見て回っている。
「この絵は全部きみが描いたの?
すごいな!絵描きの仕事?」
感心したような声になんだか気恥ずかしくなって顔を伏せる。
「は、はい...そ、そんな...
仕事というほど大したものでは...」
「いや、大したものだよ!
あっ!ごめん。
部屋に上がらせてもらってるのに
自己紹介してなかったな。
僕はこういうものだから安心してほしい」
男性は思い出したように胸ポケットから名刺入れを取り出すと俯いたままのカ私の前に
1枚の名刺を差し出した。
私は男性の顔を見ることなく名刺を受け取る。
「かんざき...つばささん?」
「いや。よく読み間違えるけど
翼と書いてタスクと読むんだ」
「し、失礼しました...
株式会社かんざき...代表取締役...」
かんざき...かんざき...
どこかで聞いた名前のような...
私は名刺を見つめながら、首を傾けた。



