彼女は都内の女子校に通う高校二年生。名前は三ツ谷悠歩(みつやゆみ)という。母方の親戚の娘さんだ。僕は彼女の家庭教師をしており、主に英語を教えている・・・ことになっている。
 
 ある時、法事で親戚同士が集まった際に、お互いの子供の話題が出た。よくある風景だ。普段それほど顔を合わせる機会もない親戚と共通の話題は子供のことと昔から相場が決まっていると、こっそり僕に耳打ちしたのは父だった。