サラサラおかっぱヘアの女の子が僕を睨んでいた。腕を組んで仁王立ち。制服の上に紺色のカーディガンを羽織っている。でも膝上のチェックのスカートから伸びた足が少し寒そうだ。

 時計を見ると二十分も遅刻していた。駅前のロータリーからバスに乗るはずが、うっかり目的地まで歩いてしまった。どおりで考え事がはかどるはずだ。