居心地が悪いといえば、僕が履修している行動経済学の講義でのことだ。

 昨日、サンクコスト効果について学んだ。一般には耳慣れない言葉だろう。サンクコストとはすでに消費された費用や時間を指す。時間がお金と同等であるのは経済学においては当然のこと。
 時は金なり。Yes! Time is Money!

 サンクコスト効果とは、例えばこういうことだ。僕はゲームはやらないが、友人にマニアがいる。その彼が何気なく始めたゲームアプリが面白くて夢中になってしまい、気づいたら数万円も課金していたという。ゲームのキャラクターをこれ以上強くするためにはもっと課金が必要で、強くならないと楽しくない。でもこれ以上課金するのはちょっとねと言うので、それならやめればいいと僕が言ったら彼はこう言った。

「今ままでかけた金とプレイした時間を考えるとそう簡単にやめられないよ」

 彼のように、もったいない、ここまでやったのだから、今までの時間が無駄になる、そう考えるのがサンクコスト効果である。