風が冷たく感じた。まだ頬を刺すというほどではないけれど、同じところで足踏みをしている僕と違い、季節はゆっくり着実に歩んでいるようだ。

 両思いであるとわかってからも、早希との関係は何も進展していない。彼女に関しての情報も増えていない。その早希から、市民バラ園でミニフェスタが開催されるので手伝って欲しいという話があった。なんでも毎年ヘルプのボランティアをしているらしい。