「ごめん。今なんて言ったの」
「何だか変だよって言ったの」
「えっ。何が」
「何がって、もちろん(とも)くんがだよ。誘ってくれたユミちゃんの学園祭の時からそう。ずうっと上の空だよ」
「・・・そうかな」
「そうだよ。どうしたの。何かあったの」

 僕の目を覗き込む早希の大きな瞳。僕は視線を合わせることが出来ずに目を逸らした。

「何でもないよ」
「何でないなんて嘘。何かあったのなら話して欲しい。教えて欲しい」