思わず、僕たちは顔を見合わせた。おそらくお互いに同じことを考えている。しかし反応したのはユミちゃんの方が早かった。

「ありがとうございます。仲が良いんですよ。ねーお兄ちゃん」
「あ、ああ。そうだね」
「つねったりしてごめんなさい」

 しおらしくペコッとお辞儀してみせた影で、ベーッと舌を出したのを、僕は見逃さない。まだ痛みが残る頬を押さつつ笑ってみたけれど、その笑顔はきっと引き攣っていただろう。