おとぎの檻





「朝佳さん…」



貴女はまだ目を覚ますべきじゃなかった。



だってまだ理想の世界が出来上がっていないから。



家族も、友達も、恋人も
貴女を大事に思い、思われていた人間は
殺したけど



まだ、佐野 朝佳という存在を認知している
人間がこの世にいるかぎり、終われない。



貴女を知る人間が、僕だけになるまで

僕が、あなたの唯一無二になるまで



この手で…邪魔者を消し去り続ける。