おとぎの檻




え…
なに、この、人



「あ、の…」

「嬉しい…。嬉しいのです。
朝佳さんから好きって…好きって…」



すりすり、すりすり

甘えるように頭をすりつけられる。


そのトーンも動作も、全部が純粋なものだった。



「朝佳さんありがとう。愛しています。
誰よりもなによりも、貴女だけを永遠に、
死んでもずっと」



お、重い…

あまりに純粋な愛は歪みきっていた。




まぁひとまず、ノルマ?はクリアできたのだろうか。


刻印まみれの右手は、いまだ焦げるような
痛みが居座っていた。