おとぎの檻




「朝佳さん、僕が何者なのか知りたくないのですか?」


「ここから…出して」


「ふふ、閉じ込められている…という現状には気づいているようですね。さすが僕の朝佳さんだ」



ギシッと音がして、体が沈んだ。
スプリング…。
わたしはベッドに寝ていたのね。



「朝佳さん」


声が真上から降ってくる。




「今ここで僕に純潔を奪われるのと、最後に一言復唱するの、どちらがいいですか?」


「え…」



するりと、服の中に手を入れられる。

冷たい指先が腰のラインをなぞった。