「ら、雷斗くん! こここ。婚約者ってどういう事ですか!?」


「だってずっと一緒にいるんだろう? 婚約者ってことだろ?」


 ニヤリと笑った顔は意地悪悪魔。この人ちょっと面白がってるに違いない。でも嬉しいと思ってしまうのはやっぱり彼が好きだから。


「羽花、好きだよ」


 人がたくさんいる前で堂々と私に好きという雷斗くん。女子の叫びが止まらない。
 

(で、でも私だってっ……)


「私も雷斗くんが大好きです! だ、誰にも負けませーーーん!」 


「ははっ、そうこなくっちゃな。俺の婚約者は頑張り屋さんだからな」


 綺麗な漆黒の瞳が細まりこんどは太陽のような優しい笑顔。


「も、もうっ!!!」