歴史・時代
九条葱/著

- 作品番号
- 1652155
- 最終更新
- 2025/07/02
- 総文字数
- 2,578
- ページ数
- 2ページ
- ステータス
- 未完結
- PV数
- 8
- いいね数
- 0
庭先からふわりと薫る花橘に、
ここは橘花邸。高辻公路と堀川小路の交わるところにある、小さな貴族の屋敷である。
都の治安を守る検非違使佐の惟通は真紀の手をとって、穏やかな瞳でその顔を見あげた。
「……どうか、幸せになるのだよ……あなたのおたあさまの分も」
(もう、おもうさまもおたあさまもいない。わたくしは独りなのだわ)
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