きらめきテレスコープ

 なんだかここ数日、煌野は少し辛そうにしている気がした。

「煌野さ、最近、眠れてないとか?」

 約束して会った公園で、俺は煌野にすぐにそう尋ねる。

「…なんでわかったの…?」

「え?ほら、なんか…今日も眠そうにしてたみたいだから…」

「…。」

 煌野は少し顔を歪め、下を向く。

「今日は帰る?また明日にでも…」

 しかし煌野はすぐに俺の顔を見てはっきりと言い切る。

「嫌!今日も布施くんと一緒にいたい…」

「え…」

 俺は煌野が一緒にいたいと言ってくれて、とても嬉しかった。

 しかし、本当にとても眠かったらしい。
 俺が話をして間をしばらく開けていたら、煌野はベンチに座ったまま眠ってしまった。

(そっとしておいてあげよう…)

 ベンチにそっと煌野の体を横たえて、俺の上着を枕にしてあげた。しかし少しすると、煌野はうなされ始める。

「…い、いや…!戻りたく…ない…一人は…嫌…」

「…煌野?」

 俺は心配になり、煌野に声を掛ける。
 しかし、

「助…けて…布施…くん…」

「え…」

「嫌あっ…!!」

 煌野はうなされて跳ね起きた。

「大丈夫か、煌野…?」

「…。」

 煌野の顔色は真っ青。そして呆然としている。

「煌野…」

「っ…私のことなんて、誰も見てくれない…!それなのになんで私、一人でいなきゃいけないの…!?嫌…嫌だよ…!帰りたくない…!!」

 煌野は俺を見るなり抱きついて泣き始める。

 かなり体が熱い。煌野の泣いた顔を見たのはもちろん初めてだった。