莉音はため息をつくと、今度はナイフを私の首元すれすれに突きつけた。

「愛樹は、お前を助けたんだ。そうだろ?」

「な、にそれ…」

「それも知らないのか。じゃあ質問を変える」

そして、彼は私にこう告げた。

「お前、いじめられてた時期があっただろ」

初めて、肯定できる事実を耳にした。

確かに、私はいじめられていた。