「TOEICも資格も学業も仕事も……蒼空さんに会うことだって疎かにしたくない」



「うん。」





「………でも、私って馬鹿だから、どれかを切り捨てないと出来ないの。


TOEICも取りたい資格も学業も仕事も、私が大学を卒業する日まで、全力で頑張りたい。


……この2年半で達成させたい。




……だから───」







この先のことを言葉にしようとすれば、







「…………っ」







涙が込み上げてきた。







せっかく考えがまとまったのに。ちゃんと話せる今、私の気持ちを聞いて欲しいのに──…









涙が零れないようにグッと口を紡ぐ。








そんな私に対して、





蒼空さんはフッと笑った。







「お前の本分は今、自分の未来のために頑張ることだよ。」



「っ、」



「極限に疲れたり会いたくなったりしたらまたここにおいで」



「っ………」



「連絡くれるなら俺から会いに行くし。


まあ…仕事中は厳しいけど。」






涙を流すことを堪えているというのに、



蒼空さんは私の頬を軽くつねって、私の心に響くことばかりを言う。






そんなことを言われたら、もう、







「……グスン」


「ハハッ、我慢失敗」


「蒼空さんのせいっ…」






クスクスと楽しそうに笑いながら涙を流す私をふわりと抱きしめた。







「大丈夫。月姫なら出来るよ」







ポンポン、と。



後頭部を軽く優しく叩いてくれて






「2年半がんばろーな」






いっぱいいっぱいになった脳内の全てを




雑念を







「………、うんっ…」







心から大好きな人に


浄化してもらったんだ。