そんな私に対して、


蒼空さんは軽く息を吐いた。







「あのな、月姫。TOEICも資格も、今年中に取らないといけないわけじゃないだろ?

学生のうちに取りたいなら、お前はまだ何年あると思う?」



「………2年半」



「だろ?まだ、2年半もある。
だからこの1年で全て達成しようと思うな。

まだ2年半もあるんだって、気楽にいけ。」



「っ……」



「友達が自分よりも良い点を取ったからって焦らなくていい。人によってのみ込みのスピードは違うんだから。


短期集中もいれば、長期集中の人もいる。


だから諦めずにコツコツやってみろ。1日数分でもいい。毎日続ければ必ず良い結果が出るよ」






ゆっくりと顔を上げれば、



彼の目は、私の心を見透かしているような。






そんな目をして優しく微笑む。







「人の事をどうこう言う前に、まずは自分がどうしたいかを考えろ」



「わっ……」







そして、再び私の頭をクシャリと撫でた。





少し荒く撫でられてしまったけど



それでさえも心地良い。







「わ、たし……」







いっぱいいっぱいだった脳内が綺麗にさっぱりと浄化されていく感じがした。






自分がどうしたいか。



今になってようやく、考えることができる。