「………次、いつ蒼空さんに会うんですか?」
「ええっと……まだ予定は無い、かな?」
何でそんなことを聞いてきたんだろう。
最後に会ったのは2ヶ月前。
蒼空さんに会いたい気持ちは少なからずあるけれど、今は自分の事でいっぱいいっぱいで、会える暇も許されないくらいに焦ってる。
「………明日、大学の創立記念日ですね」
「うん、そうだね?」
「休みですよね」
「うん…?」
何が言いたいんだろう?
怪訝に思って首を傾げた。…と。
「蒼空さんに会いに行って下さい。」
「えっ?」
「明日、代わりに僕が出勤します。だから月姫さんは蒼空さんの元に行ってください」
「え、いや、まってまってまって」
唐突に言われたそれ。
「なんで蒼空さん…?」
「だって月姫さん、
焦燥感に駆られてますから」
「焦燥感…?」
「はい。……追い詰められてます。今の現状に」
「っ、」
言い返す言葉がでない。
だって、その通りだと思う。
千恵と比較してしまって、劣等感から焦りや不安を感じてる。……できない自分が嫌になってる。
「だから……その日だけは、何もかも忘れてリフレッシュしてきて下さい。
好きな人と過ごす時間は、焦っていたことも気にならなくなりますから」
ニコリと微笑むその笑顔は、
ゆったりと優しい。
「湊くん……」
あの日、湊くんが悩んでいた、相手の気持ちが読み取れないということ。
それが今となっては嘘のように私の気持ちを理解してくれてる。
そして、解決作まで。