"あー、うん。いいよ。ちょっと待ってて"


「うん!!」





何をしてるんだろう?



電話越しじゃ今何をしているかなんて分からなくて、






"映ってる?"


「!!!」






テレビ電話に切り替わったその画面には




髪の毛が濡れていて
色気ダダ漏れの蒼空さんの姿が。






(お風呂上がりだったんだ…!)






電話だけじゃ気づかなかったこと。




カッコよすぎてなんか直視できない…






「お、お風呂上がりだったんだね!!」


"ん? ああ、だから上着た"


「着てなかったの?」


"さっきまではな"


「………着なくてもいいのに」






あ。ついつい心の声が……




分かりやすくパッと口元を押さえると



どうやらその行動が裏目に出たみたいで、






" 変態。"






色気ダダ漏れの蒼空さんは
意地の悪い微笑みを浮かべた。



頬を真っ赤に染める私を弄るようにね。






"見たかったのか"


「ち、がうし……」


"じゃあ、触れたかった?"


「っ!そんなに欲求不満じゃない!!」





ムキになってそう言えば
彼はそんな姿にクスクスと笑う。





ああ、もう……画面越しじゃなくて、直で見たいよその笑顔。






触れたいよ?もちろん。


抱きしめてほしいし、抱きしめたい。





だから……






(会いに行こうかなぁ……)






そんなことを考えていれば、






"ん?"


「………どうしたの?」


"誰か来た。"






そう言う彼は携帯を机の上に置いたまま、たぶん玄関に向かったのだろう。






微かに聞こえる音と





(誰だろう…沢山いる?)





ガヤガヤと騒がしい声。



画面には未だに蒼空さんの部屋の1部しか映っていなくて、





"あれ?もしかして電話中だった~?"


「わっ!」





突如その画面に男の人が映りこんだものだから、びっくりして携帯を落としそうになった。






(誰だこの人……)







あれ?でも、






……見た事あるかも。