それから月日が経つのはびっくりするくらい早いもので…
「そらぁあああ!!」
「ちょ、危なっ…!」
あっという間に最終日。
心音さんが蒼空さんに飛びつくと、バランスを崩したらしくそのままソファーの上へとダイブしていた。
「今までありがとぉおお」
号泣する心音さんはギュッと蒼空さんを抱きしめていて
いつもならそれに対して「近寄んなオカマ!」と殴っていた蒼空さんなのに
「うわぁああん!寂しいぃいい」
「…………………」
いつも通り眉間にシワを寄せる彼も
その気持ちには弱いみたいで
「心音、今までありがとな。
一緒に働けて結構楽しかったよ」
心音さんの背中を
ポンポンと軽く優しく叩いていた。
「私も好きよぉお!」
「いや好きとは言ってねぇな」
「ほら月姫ちゃんと陽葵さんもおいでぇええ」
「わっ!」
半ば強引に心音さんに手を引かれると、私もソファーの上へとダイブ。
「うっ」と下にいる蒼空さんから低い声が漏れてたけど大丈夫かな…
「お、まえ……」
「ち、違うよ!?心音さんに引っ張られて…!」
「心音、寂しい気持ちは分かりますがそろそろ離れてあげなさい。蒼空が苦しそうですよ」
「あら。」
気づいたのか、パッと蒼空さんから離れた心音さん。その流れで私もその場から離れた。
ケホッと咳払いをする彼は相当苦しかった模様。