「ふっ……」


「な、なによ……」


「リスみてぇ。そんなに頬張るなよ」


「っ!!」






口元に手を当てて笑う蒼空さん。



恥ずかしくて手で顔を覆い隠すけど






「隠すなって」





笑いながらもその手は掴まれてしまう。





「可愛い。」





至近距離でそんなことを言われてしまえば






「…………っ」





赤くなってしまうのも仕方がないよね?






「可愛いって……」





やっと食べきれたそれ。



美味しかった。とても。




早く感想をメモっておかないと、






「もう1回…言って?」





そう分かっているのに、


私の意識は既に蒼空さんへと向いてしまった。





「ほんとそれ、言われるの好きだな…」


「だって嬉しいんだもん。好きな人に可愛いって言われるのが…」






蒼空さんには分からないだろうけど、


私は嬉しくてたまらないんだ。






「ふぅん」






スっと伸びてきた手。



その手が優しく私の唇を愛撫すると






「昨日、飽きるほど言ったけど?」


「っ!!!」






唇に生クリームがついていたのか


それを拭った彼は怪しい笑みを浮かべてペロッと舐めた。






「そうやって口いっぱいに頬張るところも、美味しそうに食べるところも、なにもかも全部可愛いよ。」





その感じがとても色っぽくて…






(もうっ……好きっ!!!!)





昨日のこともあってか、私の中で蒼空さんに対する想いがどんどん溢れ出てしまう。





昨日の幸せな出来事も


今までの蒼空さんとの思い出も





この先ずっと、


私たちの中で




ずっと残り続けたらいいな。