「わわっ…!ちょ、ちょっと!!」
部屋に入るや否や、蒼空さんが脱ぎ始めるからパッと背を向ける。
「なんで脱ぐの…!!!」
「はぁ?お前が言ったんだろ。風呂入れって」
「そ、そ、そうだけど…!!」
「濡れてないなら俺もまだ入りたくねーよ」
「うっ……」
何も言えない……
蒼空さんをびしょ濡れにしてしまったのは私でもあるし、シャチのシズクちゃんでもある。
だけど露天風呂に入ることを勧めたのは私だ。
「ほら、」
「っ!」
横からふわりと香ってきたのは蒼空さんの匂いと、服の湿った匂い。
「服、乾かしといて」
筋肉質な腕が私の横にあって
その手にはさっきまで蒼空さんが着ていた服が。
今振り向けば蒼空さんは上半身裸な気がする。
「は、はいっ…!!」
素直にそれを受け取れば、背後にあった気配はなくなって、シャッとカーテンを閉めた音が聞こえた。
(お風呂本当に入っちゃった……)
でもそうだよね…濡れた状態じゃ風邪引くし、水族館の水がかかったままなんて嫌だよね…
プラン通りに一緒に入るべきなのか考えたものの、私は今、服を乾かす仕事を任せられているのだから一旦そのプランは無視する事に。
服はドライヤーで乾かす事にして、そのため部屋の中はドライヤーの音でいっぱいになる。
(それにしても、なんで一緒に入ってほしいなんて書いてあるんだろう…)
何かの参考にするってことだよね?
入ってみた感じとか聞かれたりするのかな?
(私だって一緒に入れるなら入りたいけど、男の人と一緒に入るなんて初めてだし…なかなか踏み出せないんだってば)
晶さんは私と蒼空さんがもうそーゆー事もしている関係だと思ってるってことだよね?
違うんです晶さん。
私達はまだキス止まりなんです。
背中を触られたりはしたけど…それ以上はまだなんです。



