蒼空さんはいつも私の歩幅に合わせてくれる。
だから、
「わっ、」
何かにつまづいてこけそうになっても
「あ、ありがとう…」
すぐに腕を掴んでくれて
「ほんと、危なっかしいなお前って」
そのまま手を繋ぐ。
ギュッと握ってくれるその手は、いつものようにとてもあたたかい。
「わあ~~っ!!!大きい!!」
あっという間に着いたその場所。
入り口付近にはシャチの大きな模型があって
「シャチ!!シャチの模型がある!!」
もちろん私はテンションが上がる。
「デカイな」
「実際と同じサイズなのかも!写真撮っておこっと~!」
個人的に撮りたくなって、自らの携帯で撮影。
後ろでパシャっと音が鳴っていたから蒼空さんもカメラで撮影したのだろう。
「ねねっ、早く入ろ!」
蒼空さんの腕を引いて中へと入れば
大きな水槽が瞳いっぱいに映り込む。
沢山の種類の魚が優雅に泳いでいて
その全てがカラフルで綺麗で
「うわぁー……」
見惚れてしまうほど。
「綺麗だねー…」
なんだか、私も海の中にいるみたい。
……ずっと見てられる。
「ウミガメもいるね」
「どこ?」
「あそこ!」
水槽越しに指をさせば
「あぁ、ほんとだ」
耳に蒼空さんの髪が微かに当たるくらい近いその距離。
「っ………」
横を向けばキスできそうな。
チラリと目線だけを蒼空さんに向ければ
煌めく水槽越しに映る彼は
いつにも増してカッコよくて
「綺麗だな」
「うん……綺麗…」
私は今、水槽よりも蒼空さんに見惚れてた。



