「だったらなんですか?」





蒼空さんはいつも通り平然とした顔。



キスしてたところを見られてるっていうのに…
その冷静さ私にも分けてほしいよ。





「私さっきも言った通り旅行ライターの仕事をしてるんだけどさ!次はカップル向けのプラン作ってるんだよね~!

私1人で体験してもいいんだけど、それだと1人目線で見ちゃうし、良い記事書けそうにないの!

私が求めてるのはカップル目線!
私こういう職業柄なのに彼氏いないし、知り合いもみんな彼氏いないし、ちょうどカップルいないかな~って探してたんだ~!

じゃあ!なんということでしょう!
ソラを救ってくれたにも関わらず、その2人がまさかのカップル!!こんな奇跡ある!?

これはもう運命だと思うんだ!
もう君達しかいない!!!」





キラキラと目を輝かせる晶さん。



腕の中にいるソラも「お願い!」っと言ってそうな顔で「ワンッ!!」と吠えた。






「えー…っと……」





話を聞く限り、その旅行プランを体験してほしいって事だよね?




私と、蒼空さんで。






どんな依頼をされるのか怖かったけど


素直に言わせてもらえるなら





(すごくしたいその依頼…!!!)





だって!

蒼空さんと!

出かけられるって事でしょう!?






「蒼空さん!!!!」





きっと私の目もキラキラと輝いてるはず。





「受けようよ!この依頼!!」


「……………………」





蒼空さんはきっとノリ気じゃない。



だって少し困った顔をしているから。






「行きたい!!!」





キラキラした目で見つめていれば


「はぁ……」と小さく溜め息をついた彼。





「……分かりました。」





そしてイエスの返事が。





「「本当にっっ!?」」





私と晶さんは声を揃えて喜ぶ。





「いや~!!嬉しい!!この出会いを一生忘れないよ!!」


「私もです!!!」





一応これも仕事だというのに


もはや仕事として捉えてない私。




だってもう、デートじゃん!






「楽しみ~!」と騒ぐ私に対して、蒼空さんはソファーに深くもたれかかっていた。



嬉しそうに騒ぐ私を見つめて。