「わー!可愛いワンちゃん!
ねっ、浅川くん!」
「あー…うん、そうだね」
湊くんの顔が少し引き攣っているように見えるのは気のせい?
「湊くん、仕事終わったの?」
「はい。今日は昼までで良いって言われていたので」
だからか。さっき陽菜さんが湊くんとお出かけしたいって言っていたもんね。
「ワンッ!」
「わわっ、落ち着いて!」
人懐っこいソラは、近くに人が来たことによって遊びたい!とまた暴れ始める。
ソラが吠えたその瞬間に、湊くんが一歩後ろに後退りをしていた。
………もしかして。
「湊くん…ワンちゃん、苦手?」
「っ……」
「えっ、そうなの!?」
湊くんの顔を覗き込む陽菜さん。
その顔から逃げるように顔を背ける湊くんは、薄らと頬が赤い。
「…………昔、噛まれたことがあって、それから苦手で……」
「浅川くんは犬が苦手、と。」
「……何書いてんの」
「浅川くんのこと!」
「いいよそんな事書かなくて…」
「あっ!ダメ!返して!!」
湊くんは呆れたように陽菜さんの手から小さいノートを取り上げた。
この中で1番背の高い湊くんに取り上げられちゃうと、取り返すにも取り返せない高さだ。
ここに蒼空さんが居ればなんらく取れたんだろうけど。



