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迷子のワンコロ












慌ただしくて甘いバレンタインも終わり、




「おはようございまーーす!」




今日も元気に出勤です!




大学も再び休み期間に入ったことだし、
この期間は貯金をするために働くんだ。



まあ残り少なくなった蒼空さんと一緒に働ける時間を共有したいのもあるけどね。




「おはよう月姫ちゃん!」




2階に上がると

この場には心音さんしかいなくて


「おはようございます!」と会釈すると




「バレンタイン、どうだった~?」



楽しそうに微笑みながらその話題を振られた。




「えっと………」




甘い時間を思い出して

ポッと顔を赤らめてしまえば



「まあっ!」と何かに勘づいたような
そんな反応を示した。




「あらあらあら~ 遂に?」


「えっ?」




あれ?

なんか勘違いされてる?




「そっかぁ~ 遂にね~ そっかそっか~~」


「ち、違いますっ…!そうじゃなくて!!」


「そんな恥ずかしがらなくてもいいのよ~ 付き合っているんだから、あ・た・り・ま・え♪」


「だから違うんですって…!!!」




完璧勘違いされてる!!




私が何を言おうが聞く耳を持ってくれないし…

この時、陽葵さんがまだ居ないことに一安心する。



だってこんな話、お父さんみたいな人に聞かれるのって恥ずかしい……




「蒼空、上手だった?」




ニコニコと笑顔で聞いてくる心音さん。



その言葉にカッと身体が熱を帯びて




「だからシてませんって!!!!」




大声でそう叫んだ時だった




「お前ら………」




真後ろに蒼空さんが居たなんて

全然気づかなかった。





振り向けば



呆れたような、

それに加えて眉根を寄せているから




「朝っぱらから何の話だ…」




ピクピクと眉根を動かす彼は

今すぐにでもキレそうな感じ。