「蒼空~ 次あの子が呼んでるって」
遠くから蒼空さんを呼ぶ声が聞こえて
内容的に、また呼び出しだと気づく。
「ああ、分かった。」
めんどくさい。といった顔は一切見せずに
すぐに返事を返すと、蒼空さんはその子の元へと行ってしまった。
「モテますなぁ」
「そうですね~」
この時、女の人に呼び出されているという事に
心配だとか、不安だとか
そーゆー気持ちは一切なかった。
蒼空さんがモテるというこの状況に、慣れてしまっているのかも。
………だけど、
「蒼空、休む暇もないね」
「さっきからずっと呼び出されてるんですか?」
「朝からずっとだよ。帰ってきたかと思えば、また違う誰かに呼び出される。モテることって羨ましいけど大変だよね~」
「(確かに……)」
社会人になると
私の知らない土地でも、きっとこんな感じでモテたりするんだと思うと少し複雑な気分になった。
今は近くにいるから自然と私の中で余裕があって焦りがない。
だけど遠い場所へと行ってしまえば
こーゆー場面に遭遇したとしても、それは私が知らない間に起こってしまうことで
蒼空さんの事だからいちいちこんな事で私に連絡してこないはずだ。
(ああ、やだなぁ……)
未来の事を考えるのが、すごく嫌だ。



