「蒼空の彼女はこっちね」
「わっ…と、」
ボーッと突っ立っていた私は、よく分からない誰かに腕を引っ張られて、千恵とは違う席へと連れられた。
「ほら座って座って~」
「緊張しなくても大丈夫だよっ」
「あっ…はい……」
(そんな事言われても……)
緊張するに決まってる。
「ここにあるお菓子食べていいからね」
そんな私の隣に華さんが来てくれると
少しだけ、緊張が薄れた。
「あれ…優さんは…?」
「優?優ならバイトがあるからって帰っちゃった」
「あっ、そうなんですか……」
てことは、この場にいる知り合いは千恵と華さんだけで
千恵は違う場所で盛り上がってるし、
華さんだけはここから離れないでぇ…と思いながら、目の前にあるお菓子をつまんだ。
「ねねっ、聞いてもいい?」
「あっ、はい、なんでしょう」
1人の女の人が前のめりで私に近づく。
その人は華さんとは違う可愛さで
ほんと、蒼空さんの周りにいる人達はみんな、顔が綺麗だ。
「蒼空とどうやって出会ったの?」
「あー、それ俺も知りたい」
「だよね!だって女に興味なさそうだったあの蒼空が彼女作ったんだよ?気になる~」
「ねね、どうなの?」
言っていいのか?
馴れ初めを聞かれているってことだよね。
「えと………」
別に隠すような事じゃないと勝手に判断して
言ってしまおうかと思った。が。
「月姫?」
「っ!」
私の、大好きな人の声。
その声で、私の名前を呼んで
「なんでここに…」
少し、驚いた表情を浮かべる蒼空さんが、帰ってきた。



