「ただいま~」
事務所に戻った頃には辺りはもう薄暗くなっていた。
「あっ、おかえりなさい!」
「おかえり、心音。ストーカーどうでした?」
部屋には月姫ちゃんと陽葵さん。
その二人だけ。
「ん~、彼氏がいても諦めようとはしないみたいです」
「やっかいな人ですねぇ。」
「まあ俺がなんとかしますよ」
「…分かりました。もし何かあれば連絡して下さいね」
「りょーかいですっ」
着ていた上着を脱いで、イスにかける。
(蒼空は…帰ったのか)
アイツも忙しいからなぁ。
「……どーした?」
「あっ…、」
ふと、視線を感じて顔をあげれば月姫ちゃんがジッと俺を見つめていた。
「いや…今の心音さん、男っぽいなって思って…」
「えぇ~?そう~?カッコイイ?」
「もうすごくカッコイイです!!」
ニコッと笑うと月姫ちゃんも笑顔になって笑う。
(なんだかそう言われちゃうと)
「今は…心音じゃなくて優也、ね?」
「っ、!!」
顔を近寄せて、耳元でそう囁くと月姫ちゃんの顔が赤くなる。
「ふっ、月姫ちゃんったらおもしろ~い」
「ちょっと…!心音さんまでからかわないで下さい!!」
「ごめんごめんっ」
ポンッと頭を撫でる。
こういう反応をしてくれるから、からかいたくもなるんだろうね
蒼空は。



