「謝って許されるとでも思ってんの?」

「……………」

「お前がやったことは、犯罪って呼ばれてもいいぐらいなんだけど」




グッ、とその手に力を込めれば

少し苦しそうに顔を歪ませた。




「関係のないやつが、お前の並外れた行動のせいでどれだけ傷ついたか分かるか?」

「っ、」

「目が腫れるくらい、泣いてんだよ。アイツも華も」




瞬間、コイツも傷ついた顔を見せるから




「お前以上に傷ついてるやつがいる事を忘れんなよ。」




そう告げる。



今のコイツには言わなくても分かっているだろうけど


トドメとして、そう言った。



苦しそうな表情。



自分のしたことに、再度気付かされているのだろう。





「………言葉だけで、許されるような事じゃない。俺がしたことは許されてはいけないものだと思う。

……こんなバカげたことをした自分を酷く憎むよ。」

「………………」





反省の様子を見せるコイツが再び「ごめん、」と言いかけたから




「俺じゃなくて」




その言葉を遮るように、俺の声を被せた。




「謝る相手は他にいるだろ」

「……………………」




殴りたい気持ちを抑え込み、襟を掴む手の力を緩めて、離した。



ケホッ、と咳き込むコイツを横目に


落ちた缶ジュースを拾う。



まだ冷たいそのジュースが、熱くなった俺の手を冷やした。