そう言われるとそうだけど…




「俺はパス」

「はぁ?なんで!こんな可愛い子がストーカーに追われてるんだよ!?助けたいと思わないの!?」




蒼空さんの元に近づいていった亜美さんはグイグイと責める。




「…あなたなら、あのストーカーだって諦めてくれるわ。ねぇ…お願い」




ピトッ、と。


手を蒼空さんの身体に触れて密着する亜美さん。




誘惑でどうにかしようと思っているらしい亜美さんに、何故かムッとなってしまう私。




「……あのっ!」




見てられなくて声をあげるが、




「悪いけど、ガキには興味ねーから」




蒼空さんがその手を掴み身体から離すと、亜美さんは顔を真っ赤に染める。




「なっ…!!だ、だってあなたしか男の人いないじゃない!!」

「よく見ろよ、いるだろ」

「は?どこに…っ」




蒼空さんが「あれ」っと示す先には




「あらヤダ。私は女よ」




心音さんがいる。



だけど今は女装姿だから、亜美さんはキョトンと首を傾げていた。




「………女じゃない」

「まあ”今”はな」

「………まさか」

「そ。そのまさか」




ニヤリと口角をあげて笑う蒼空さん。




そして「嫌な予感がするわ…」と心音さんが呟いた。