「あの人を追っ払ったらいいのね?」

「そ。もうウンザリなの!!どうにかして!」




眉根を寄せて苛立っている様子の亜美さん。




(でもまあ…可愛いからなぁ…)




ストーカーされてもおかしくないような顔の持ち主の亜美さん。


茶髪で毛先だけパーマをかけていて、ふんわりとした髪型。


目も大きく二重で、顔も小さい。




「じゃあどう追っ払おうかしら…」

「三人がかりなら怯えて逃げるんじゃないですか?」

「そうねえ…でも私暴力は出来ないし…」



「そうじゃなくてっ!!」




方法を考えていたとき、亜美さんが声を荒げて席を立った。




心音さんと私は、キョトンと亜美さんに目線を向ける。




「そんな方法じゃなくて!!…私に仮の彼氏を作ればいいのよ」

「仮の…彼氏?」

「だーかーら!私に彼氏がいればあのストーカーだって諦めるでしょ?」

「あ、ああっ!!なるほど」




あのストーカーに彼氏の存在を見せつせてやれば自然と諦めてくれる、ということだ。




「そうね!その方法いいわ!」

「じゃあ誰が彼氏役になります?」

「それは亜美が選ぶの」




そう答えた亜美さんは私達の後ろに目線を向けて




「あの人がいい」




指差す方向に私達も振り向く。




「………は?」




その方向には、


今だに携帯を片手に持つ蒼空さんの姿。




蒼空さんも正直驚いている様子。




「あの人なら亜美とお似合いだもの」