そんな少し暗い雰囲気の中、




「あ、れ?」




再びベルが鳴り響いた。




「西島さんかな?忘れ物でもしたのかも」

「あ、私が出るわ」




ポン、と肩に軽く手を置いてから玄関の方へと向かって行く心音さん。




「なんの忘れ物だろ…」




周りを見渡して探してみるものの、それらしき物は見当たらない。




「西島さんではないみたいですよ」

「え?あ、じゃあお客さんだ」

「ええ。」




チラリとパソコンの画面に目線を向ける陽葵さん。




「……今度は女性の方ですね。」




そのパソコンには玄関のカメラで映し出されているものが映る。




「はーい、どうなされまし…」




西島さんだと思っていた心音は扉を開けて少し目を見開いた。




「……………」




目の前にはミニスカートの女子高生。




(お客様…か。)




瞬時にそう見極めると、


いつものように笑顔を作り直して




「ようこそ、陽葵何でも屋へ」




手を差し伸べ、事務所の中へと招き入れた。