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再接近












「終わったぁああ」





パソコンを目の前にして机に突っ伏した私は、かれこれ数日かけてやっとレポートを完成させた。




仕事がない日以外はほぼ毎日大学に通ってレポートと睨めっこ。




他の子よりも早く完成したとは思うけど、


………ドッと疲れた。







「終わった?」




そんな私の隣には、蒼空さんの姿があって。



イヤフォンをつけていた彼は、外してパソコンを覗き込む。





……あの日から、私が大学に向かうときは一緒についてきてくれることになって



こうやって、レポートをする私の隣で待ってくれていた。




だから、尚更早く終わらせないと、っと思ってこの数日間は目が疲れるほど集中して進めた。




蒼空さん、学生最後の春休みなんだもん…


こんな事で時間使ってほしくないしね。




「送信し忘れてるけど」


「えっ、うそ」




蒼空さんに言われて気づいたソレ。




慌てるように送信ボタンを押して、教授に送る。



【送信完了しました。】の文字を見て、ホッと肩の力が抜けた。





「命拾いしたな」


「ごもっともです……」





やりきったかと思えば、何か一つ抜けてるんだよなぁ…私って。




そんな部分に嫌気を差しながら、帰る準備をしていると




「なあ、」




机に頬杖をつきながら、私を見る蒼空さん。