「あっ…そ、らさん……」
今までにない感覚に背筋がゾクゾクした。
顔に当たる蒼空さんの髪の毛はくすぐったいし、
温かい吐息が耳にかかるとビクッと身体を震わせた。
「ッ…はぁ……」
ただそれだけのことなのに、息が上がる。
気づけば蒼空さんの首に腕を回しちゃってるし、……今の私はだいぶおかしい。
「…………………」
廊下から声が聞こえてくると、ここが大学だってことを思い出した。
蒼空さんもその声に反応して、私の首元から離れてしまう。
(もっと…してほしい……)
そんな事を考えてしまう私は変態なのかもしれない。
さっきまで温かかったその部分は、冷たい冷気によって温もりが冷めていく。
けれど、私の身体はポカポカと温かい。
「他は?」
「え…?」
「他に、つけられた?」
「…ううん、そこだけだと思う……」
「……そ。」
はぁー…っと、深めの溜め息が聞こえると
蒼空さんは余裕のない表情を見せた。