少しして、その教室に慌ただしくやってきたのは千恵で
小林が呼んでくれたんだと気づいた。
「ちょっ…!どーしたの月姫!?」
千恵の姿を見ると、再び泣いてしまった。
「小林、何か飲み物買ってきてくれない?」
「ウッス!!」
「ほら、月姫、コレ使って。」
はい、と渡されたのはハンカチで。
「ありがとう……」
「ううん、大丈夫だよ。」
背中を優しくさすってくれる千恵。
「落ち着いたら、話聞くから。
でも、話したくないなら無理にいいからね。」
と、優しい言葉をかけてくれた。
ちょっとしてから、
泣き止んだ私は千恵にさっきあった事を話した。
ストーカーの件とかは言っちゃいけない気がして、ただ襲われたってことだけを。
「あいつ…!ぶん殴ってやるっ…!!!」
「やめて、千恵に怪我してほしくない…」
本当に殴りに行きそうな雰囲気を醸し出していた千恵を止めると、納得いかないような顔をする。
「だって、ありえない!!最低!!!
1発、いや100発は殴らないと気が済まない!!!」
「気持ちは嬉しいけど…何もしないで…」
「ぐぬぬっ……月姫がそう言うなら…」
苛立ちをどうにか抑え込んだらしい千恵だけど、
未だに眉根は寄せたまま。
「優しい人だと思ってたのに…!」
「うん…私もそう思ってた…」
思っていたから、
こんなにショックが大きいんだと思う。
裏切られた。
……そんな気分。



