あの目………
華さんのストーカーを初めて見た時に見た目だ。
あの時、帽子とマスクをつけていたから、全然顔がわからなかった。
けれど、それでも
(なんで気づかなかったんだろう………)
ゾッと背筋が凍る感覚。
「あいつ、何を企んでんだよ…」
見るからに不機嫌モードの蒼空さんは、持っていた紙をクシャリと握る。
「本当に何もされてないな?」
「わ、私は喋っただけで…
でも…その前に華さんが……」
その名前を口にした時
急に蒼空さんが立ち上がり、イスがガタッ!と勢いよく音をたてる。
静まるこの部屋ではその音がとても大きく聞こえたものだから、ビックリして肩が跳ね上がった。
「あいつと華が、なに?」
「え、と…
何か喋ってたんだけど…何も聞こえなくて……
喧嘩?みたいな、なんだか険悪な雰囲気だった…」
そう説明すれば、すぐに携帯を取り出して誰かに電話をかけていた。
きっと、その誰かは華さんだと思う。
「もしもし、俺だけど」
電話をする蒼空さんの顔は少し焦っているようで、眉根を寄せたまま。
(……やっぱりあの時すぐに止めに入るべきだった。)
もっと早くに気づいていればーー
あの時ジッと見ていただけの私。
ーーー罪悪感が心に広がる。



