「あ……私、そろそろ…」
「あぁ、ごめんね。引き止めて」
「いえ……」
ずっと凝視されていて、背筋がゾクッとした。
ペコリと軽く頭を下げると、逃げるようにその場を去る。
すぐ近くに自販機はあった。だけど、どうしてもその場所から距離をとりたくて、意味もなく少し離れた場所まで走る。
はぁはぁ…と息が荒れて、苦しい…
息をするたびに、白い息が出る。
上着は図書室に置いたまま。
薄着で来たにも関わらず、今は全く寒くない。
「………怖かった…」
初めて会ったときは良い人だなって思ってた。
優さんは悪くないのに、友達の事をわざわざ謝ってくるような、そんな人だった。
その印象がついていたからか、今回の優さんはとても怖く感じた。
ジッと私を凝視する目。
背筋がゾクッとするくらい…とても冷たい目だった。
(目だけでこんなに怖く感じるものなんだ…)
人生で初めて、こんなにも人を怖いと思ったかもしれない。



